まるで、あたたかくほんのりと光を灯す炎のようで、それは彼にだけに与えられたかのように思える。
そのあたたかい炎につられるようにたくさんに人が彼の周りには集まってくるのだろう。
慕われていないとチームの総長なんてできないだろし。
「俺もそれはじめて言われたわ。どの遺伝子がどうなってこうなったかはわかんねえけどこの髪と瞳は親父譲りだな」
「素敵だね」
きっと、彼のお父さんもかっこいい人なんだろうな。
息子がこんなにもかっこいいんだから。
「まあ、いい親父だったよ。もういねえけど」
「え……」
もういない。
亡くなってしまっているのだろうか。
わたしを見るその瞳はどこか悲しげに揺れていた。
「親父が死んだあと、俺は養子に出されてそこで第二の父親のじいさんに育ててもらったんだけど、そのじいさんも今は田舎にいるから俺はあの家で一人暮らししてんの」
なんの躊躇いもなく、すらすらと今の現状を説明してくれる柊磨。
きっと今に至るまで色々あっただろうにわたしは地雷を踏んでしまったのかもしれない。
「そっか。ごめんね。言いたくないような話だったかも」
わたしには失う家族もいないからわからないけど、そこにあった人や物を失う悲しみは大きいだろう。



