「ほんと自信ねえのな。藍原珠莉さんは」
その言葉が聞こえたと同時に俯いていたわたしの顔を覗き込まれて、燃えるような綺麗な赤い瞳と目が合う。
「名前……」
「バイト先で名札つけてんだろ。そん時に覚えた」
「それは怖いよ」
一回見ただけで覚えてしまうなんて。
「そんな引くなよ。それくらいお前のことが気になったんだよ」
ルビーのような曇りのない赤がわたしを真っ直ぐ見つめ、逸らしたいのにどうしてだか逸らせない。
「……柊磨はなんて苗字なの?」
きっと、どんな苗字だとしても彼にはぴったりなのだろう。
「赤嶺。赤嶺柊磨。高校の2年で一応Red Devilの総長してる」
「え?」



