「ちょっと、待ってよ!」
わたしが慌ててその背中を追いかけると彼が歩みを止めた。
ちゃんと待ってくれるんだ。
思わず、緩みそうになる頬を抑えながら彼の隣に並ぶ。
「遅いと置いていくぞー」
なんて言いながらも、本当は置いていかないんでしょ。
そんなこと言ったらまた文句言われそうだから言わないけど。
なんの警戒もなく、着いてきちゃったけど大丈夫かな?
ここは一体どこなんだろう。
「ねえ、ここって……?」
「んー、俺らの居場所的な感じかな」
決して綺麗とはいえないエレベーターの中でそんな会話する。
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