「こちらのお席でお願いいたします。ご注文がお決まりになりましたらそちらのタッチパネルよりご注文くださいませ。失礼いたします」
その言葉を発しながら3人の前にお冷を置き、他の作業をしようとキッチンへ戻る。
「藍原さん、今日上がり変わってもらえませんか?」
わたしに話しかけてきたのは同じホールで先月入ったばかりの女の子。山田さんだ。
よくこうして上がる時間を交代して欲しいと頼まれる。
たぶん、いいように使われているんだと自分でもわかってる。
「何時だっけ?」
「17時半です!」
17時半かー。
施設での夜ご飯は18時からだから間に合うとは思うけど手伝ったりしてあげたかったのにできそうにないなあ。



