あれからもわたしは寺嶋さんとの接触を避け続け、2週間が過ぎようとしていたある日。
「え?柊磨?」
いつものようにバイトを終えて、帰ろうとお店を出るとすぐに見覚えのある赤い髪が視界に入り、驚きのあまりポロリと口からその名がこぼれた。
連絡先は誰とも交換していなかったけど、そういえば彼には全部バレていてバイト先も知られていたな、と頭の片隅で思い出す。
「お前のくせに俺を待たせるなんてな」
「え?意味わかんない。てか、なんでいるの?」
なんで?
もう会う必要なんてないじゃん。
柊磨の姿を瞳に映しているだけで、忘れられずにいたこの前の温もりが蘇ってきて体温が上昇する。



