「ごめんなさい」
素直に謝罪の言葉を口にして頭を下げる。
「ほんとにもう、心配したんだから」
はあ、とため息をつきながらもわたしの頭を撫でてくれる佐藤さん。
その手はとても優しく温かい。
きっと、母親がいる人はこの温もりを無条件に感じられるのだろう。
わたしがどれだけこの人を慕っても、所詮は雇われの職員。
家に帰れば、自分の家族の為に愛情を注ぐのだ。
わたしだけじゃない。
わかっているけど、わかっているからこそ、わたしはここに必要以上の感情を求めなくなった。
「次から気を付けます」
「珠莉ちゃんは可愛いくていい子なんだから気をつけてね」
なんて、ふわりと微笑んでくれる佐藤さんにお世辞だと理解しているけど「ありがとうございます」と言いながら精一杯の笑顔を向けた。
上手く、笑えているかな。



