わたしはよくしてくれている職員さんたちを不安にさせない為にも芙実の家に泊めてもらう時はきちんと届出を提出していた。

昨日は本当に帰ってくるつもりだった。
それなのに、ぐっすり眠ってしまって目覚めたときには朝だったんだ。



「の、ノリで……?」



知り合ってすぐの男の家にいました、なんてバカ正直に言えるわけもなく、できるだけオブラートに包んで答える。



「ノリでも連絡ぐらいできるでしょう」


「うっ……」



痛いところつかないでよぉ。

下げていた視線を上げて、チラリと職員のおばさん、佐藤さんの顔を見ると、表情は怒っていても瞳は心配そうに揺れていた。

こんなわたしのことを心配してくれるなんてほんとに優しい人だなあ。