朝の眩しい光が部屋に差し込み、徐々に目を開けるとそこにはスヤスヤと眠る柊磨がいた。
そうだ、昨日の夜……柊磨の腕の中で眠ったんだ。
なぜ彼がわたしを抱かなかったのかはわからない。
いつもはぐっすりなんて眠れないのに、今日は柊磨の腕の中で眠ったからなのか何年かぶりにぐっすり眠れた。
この安心感はどこから溢れ出てくるのだろう。
昨日会ったばかりなのに。
パッチリと大きな目、キリッとした眉毛、スッと整った鼻筋、形のいい唇。
誰が見ても文句が出てこない端正な顔立ち。
かっこいいなあ。
思わず見惚れてしまう。
こんな顔を間近で見れることなんてもうないだろうからめいいっぱいこの目に焼き付けておこう。
そして、柊磨が起きないうちに部屋を出よう。
ごめんね、柊磨。
泊まらせてくれたことと、この間助けてくれたお礼も兼ねて、自分の財布からお金を取り出して机の上に置いてわたしは足早に彼の家をあとにした。
まだ体が熱い。なにかをしたわけじゃないのに。
ただ、柊磨の体温が未だに残っている。
「なにやってんだろ、わたし」
そんなこと何万回思ったところでわたしの世界は変わらない。