「あなたに何がわかるの?わたしがどんな思いで毎日生きてるか知らないくせに!!わたしは、あなたたちとは違うの!」
「お前は自分の価値がわかってねえんだよ。自分で自分の価値を下げんじゃねえ」
強い眼差しがわたしを捉え、離さない。
その瞳は決して嘘をついているようには見えないし、この人は正直な人だと合コンのときにわかった。
「なに?わたしに価値なんてないの!」
「安心しろ。お前は可愛い。俺が保証してやる」
「なっ……」
そういって、ふわりとわたしの体を包み込んだ。
シャンプーのいい香りが鼻をかすめる。
可愛いなんて、この人は絶対おかしい。
それでも、わたしが彼に心を動かされ始めているのは事実。
もう誰かに心を動かされてたまるか、と自分の心に鍵をかけて動かないように頑丈に固定していたのに。
「ほら、寝ろ」
わたしの体に布団をかけてくれた。
彼はソファに移動しようとわたしから離れようとした瞬間、無意識に彼の背中に腕を回していた。



