「なんだよ、うるせえな。俺はパス」
電話に出た彼の相手はやはり優大か大志か司の誰かだ。
「あー、珠莉?あいつは帰った」
そういうと、電話切った。
嘘つき。
わたしと一緒にいるくせに。
「優大が心配してたぞ、お前のこと」
「……それはどうもありがとう」
別に心配する義理なんてないじゃん。
優大は優しい人なんだろうな。
「俺と一緒にいるなんてことも知らずにな」
そう言いながら、わたしの腰に手を回してきて、そのまま静かにベッドに押し倒された。
……今日は帰らずに済みそうでよかった。
あー、でもあんまり遅くなると怒られちゃうし、外泊許可ももらってないから適当な時間になったら帰ろう。
なんて、呑気なことを考えている。
───……このまま、わたしは彼の温もりに包まれるのだろうか。
わたしの心ごと、すべてをさらってほしい。
なんて、バカなことを一瞬思ってしまった。



