「……帰る」
「帰りたくねえんだろ?」
「そんなこと、ない」
「お前に拒否権ねえから」
そういうと、強引に腕を引かれて知らない街の中を歩かされて途中左に曲がったり、信号を渡りながら着いたのは比較的綺麗なマンションだった。
エントランスを抜け、エレベーターで何階かに上がり、ある部屋の前まで着くとポケットから鍵を取り出し、ガチャリと鍵を開けるとすぐにドアを開けた。
ここはどこなんだろう。
鍵を持っているということは彼の家なのかな。
それにしては立派なお家なこと。
寝室のような部屋に連れてこられてからも彼のスマホがずっと鳴っている。
大志か優大か司だろうか。
一体、どうやって彼は抜けてきたのか。



