「スマホも持ってるくせに嘘が上手いな」
「……」
「普段はこの髪の毛もその瞳も隠してんの?」
わたしのことすべて見透かされている。
やっぱり、わたしのこと気づいてたんだ。
「だったらなに?あなたに関係ないでしょ」
そう言って、一度助けてもらった人に取る態度ではないとはわかっているけど、180度体を回転させて、歩みを進める。
わたしのことを見透かさないで。
詮索しないで。
何も知らないで。
わたしはみんなとは違う。
みんなみたいに綺麗な世界で生きていない。
すると、腕を掴まれてそのまま引き寄せられ、
「今日はどーすんの」
そう、耳元で低く甘い声で囁かれた。



