女の子たちはカラオケに行こうって誘っているけど、わたしは帰る道を歩き始める。
どうせわたしがいなくなったってだれも気付かないだろうし。
「彼氏作る気がないのに合コン来る女ってお前のことだろ」
どこから追いかけてきたのか、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
黙って振り向くと、ポケットに手を突っ込んでダルそうに立っている柊磨がいた。
何も言わずに黙っていると、柊磨がこちらに一歩ずつ近づいてきた。
そして、月明かりに照らされ、輝きを持ったわたしの金色の髪の毛を少しすくい上げた。
色っぽいその仕草に目が離せなくて、どくんどくんと鼓動が高鳴る。
なに……この人。
不思議な魅力を持っている彼に、珍しく興味が湧いた。



