「そりゃあ、仕方ねえな〜!」
「今度こそ、珠莉ちゃんの連絡先知れると思ったのになあ」
「ごめんね」
笑って誤魔化した。
わかってる、嘘だらけだってことくらい。
何も知られたくない。
本当は名前だって偽りたい。
「じゃあ、今日はお開きってことで」
その言葉が告げられたことにより、お会計は男性陣が済ましてくれて、お店の外に出た。
……今日は、もう帰ろう。
いつも金曜日は芙実の家に泊めてもらったり、ネットカフェで適当に時間を潰して夜遅くみんなが寝静まった頃に帰る、そんな生活をしているから。
なんだか今日は何かや誰かにすがる気持ちにならない。
女の子たちのリアクションが頭から離れない。
他人の反応なんて興味がなかったはずなのにいざ目の前にすると少し気になって苦しくなってしまう。



