「珠莉ちゃんも交換しよ?」 「いいよ〜〜……って、あれ?スマホ家に忘れちゃったみたい。ごめんね、また今度教える!」 本当はカバンの中にスマホは入っている。 けど、教えることはない。 教えたって連絡なんてとらないんだから。 優大がいるため前回と同じ嘘は使えなかったから咄嗟の嘘だけど、我ながらうまかったと思う。 優大と前回、会った時はスマホの充電が切れちゃってると言って誤魔化した。 嘘をつくのは得意だ。 嘘に嘘を重ねているわたしはもうどれが本当のわたしなのか自分でもわからない。