誘ってくれた女の子にも他の子には連絡先は教えないでって伝えてあるし。
それを彼女は律儀に守ってくれている。
きっと、彼女にもわたしが彼氏を欲しがっていないことなどバレているはずなのに、それを表には出さず、あくまでも彼氏が欲しい人という風に接してくれている。
だから、いつも誘ってくれるんだと思う。
「みんな色んな事情があるからな。まあ今日は楽しもうよ」
大志がそういって、一度沈んだ空気をもう一度盛り上げてくれた。
合コンも終盤に差し掛かり、連絡先を交換しようと女の子たちがスマホをポケットから出した。
「みんな連絡先教えてよ!」
大志と優大もスマホを出して、交換している。
わたしは何もせずにオレンジジュースを飲んで、殻になったお皿をぼーっと見つめていた。



