「えー!まじ?なんのために来てるんだろうね。彼氏ほしい人のことバカにしてんのかな、なんか嫌だね」
女の子たちが心底不愉快そうに話している。
その嫌な女はあなたたちの隣にいるよ、なんてね。
なんでだろう。
自分のしていることに何も思わなくなっていたのにどうしてこんなにも苦しくなっているんだろう。
「その子にもそんなことしなきゃいけない理由があるんだよ、きっと」
優大が一瞬、こちらに視線を向けてそう言った。
ああ、この人はきっと分かっているんだ。
わたしが彼女たちの話に該当している人だということを。
まあ、前回もなんの足跡も残さずに帰ったもんね。



