「泣くのはまだ早いっつーの」



呆れたように笑いながらわたしの頬を伝う涙を優しく拭ってくれる。



「だってぇ……」


「ほら、一緒に鐘鳴らすぞ。この鐘鳴らしたらずっと一緒にいれるっつージンクスがあるらしい」



だから、ここに連れてきてくれたの?



「柊磨って、そういうの信じるんだ。意外だね」


「……いいだろ、別に」



少し照れくさそうにしている彼の隣でゴシゴシと涙を拭いて、一緒に鐘の紐を持つ。



「ふふ、可愛い。じゃあ、せーので鳴らすよ」


「おう」

「せーのっ」


―――カランカランッ〜〜

静寂に包まれた夜の世界に可愛らしい幸せの鐘が鳴り響く。