覚える気はないと思うのに、頭の片隅でその名前を何度も復唱して忘れないように刻み込んでいる。
「お前もそれだけかよ。まあ、つーわけで、今度は女性陣!」
大志の言葉で、女の子たちが一人ずつ自己紹介していく。
名前と学校名など自分の情報とそれぞれ述べて、アピールしている。
キラキラしている彼女たちはわたしとはまるで違う。
どうやっても、彼女たちと同じところに立つことはできない。
みんな制服なのにわたしは、制服ですらない。
いちいち施設に帰ってきて着替えて来ている。
自分のことを何も特定されないため。
爪痕は残さない。
最近まで偽名を使っていたくらいだもん。
だけど、もしこの前助けてくれた彼らだったならわたしのバイト先は特定されてしまっている。



