「はあ~着いた」


あれから数週間が経って、施設のみんなに傷を心配されたけど、何とか誤魔化し、その決戦の傷もすっかり治ったところでわたしと柊磨と理希くんの三人で亜須香さんが住んでいる街へやってきた。


本当にわたしまで来てよかったのかと思ったけど、柊磨が亜須香さんに紹介しねえと怒られるというので、ちゃっかり着いてきたのだ。



「やばい、俺……緊張してきた」



胸を押さえてガチガチに緊張している理希くんの隣で



「俺もあれ以来、会ってねえからなー」



と、呑気に言っている柊磨。


でも本当は柊磨も緊張してることをわたしは知っている。

だって、今日朝から財布を忘れそうになるし、いつもはギリギリ寝てるのに今日はやけに起きるのが早かったのかメッセージに返信が返ってくるのが早かったから。