「だから……もう、自分を許していいよ……っ」
「……っ」
カランカラン、と金属バッドが床に落ちる音が聞こえた。
悪魔に支配された柊磨が戻ってきたような、そんな気がした。
柊磨の全身が小刻みに震えていて、泣いているのだと気づいて、わたしは柊磨の身体をこちら側に向けて、彼の頬を伝う涙をそっと拭った。
もう十分頑張ったよ。
誰も怒ってない、誰も柊磨のこと恨んでなんてないから。
柊磨が落ち着くまでずっと、そばにいて手を握りしめていた。
「おい、後堂」
腰を抜かして立てなくなり、恐怖で震えていた後堂に落ち着きを取り戻した柊磨が声を掛けた。
「……なんだ」
「俺はお前のしたことを許すつもりはない。だけど、こんな恐怖で支配した仲間じゃなくて、お前のいいところをちゃんと見つけてくれる仲間作って、生きてみろ。いつか人の優しさに気づけたならお前もお前の人生も、まだ変われるよ」
そう言って、彼の前に手を差し出した。



