復讐……?
柊磨はそんなことを考えていたのか。
誰にもそのことを言っていなかったんだろうか。
ずっと、ずっと一人で苦しんできた彼も必然的に後堂を恨んでいたのかもしれない。
でも、こんな優しい人に……復讐なんてさせたくないよ。
「あ、赤嶺……」
胸倉から手を離された後堂は先程の威勢はどこにいったのか酷く冷たい目で自分を見下ろしている柊磨に怖気づき、尻もちを付きながらずりずりと後ろに下がっている。
その目は恐怖でいっぱいだ。
風でゆらりと揺れる燃えるような深い赤、その前髪から覗いている温度のない光の見えない緋色の瞳。
───赤い悪魔。
きっと、これが優大たちが言っていたチームの由来にまでなった柊磨の姿なのだろう。
いつもの優しく太陽のような彼とはまるで違う。
その場にいる全員がその殺気と気迫に圧倒され、動けない。



