「んん……っ」
目を覚ますとそこは見たことのない倉庫の部屋だった。
手を縛られているけど、これくらいの緩さなら何とか自力で解けそうだ。
「おー、起きたか」
「……後堂」
目を覚ましたわたしに気味の悪い笑顔を向けてくる。
その後ろで理希くんが俯いて立っていた。
二人は特攻服を着ているし、下からたくさんの声が聞こえるからもう決戦は始まっているのかもしれない。
……柊磨は大丈夫かな。
わたしが捕まっているなんて知らないだろうけど、また迷惑かけちゃった。
「赤嶺はここにお前がいることは知らない。だけどもうすぐここにくるだろう」
「どうしてわたしを攫ったの」
「赤嶺の大事なもんは全部潰さねえと気が済まねえんだよ」
わたしの元へ歩いてきた後堂がわたしの髪をぐっと掴んだ。
髪の毛が引っ張られて痛いけど、ニタニタと笑っている後堂をキッと鋭く睨む。