「俺のことなんか……」
「もし、振られてもわたしが慰めてあげるから」
おどけたように言うと、
「それは遠慮しとく」
苦笑いを浮かべながら断られた。
「なんで!」
「いや、虚しくなりそうだし」
柊磨もいい人だけど、やっぱり理希くんもいい人なんだな。
早く二人が一緒に笑い合える日が来ますように。
「よー、理希。赤嶺の女とこんなところで何やってんだ?」
もうそろそろ帰ろうと思っていた時に後ろから聞こえてきた声にピクリと体が動いた。
この声は、
「……後堂さん」
そう。
残酷非道な行動を繰り返している後堂だ。
なんでここにいるのがわかったんだろう。
今は18時半だから約束の19時まではあと少しなのに。



