「お前に関係ないだろ」
吐き捨てるように言い、わたしの横を通りすぎようとしたとき、
「本当はまだ柊磨のこと、お兄ちゃんだって思ってるよね?」
ずっと思っていたことが口から零れ落ちていた。
わたしの言葉に彼は足を止めた。
「は?なんでお前にそんなこと……」
「だって、この前、“柊兄”って呼んでたから」
本当にもう兄だと思っていないならそんな呼び方はしないはずだ。
きっと、彼は素直になれないだけでまだ柊磨と亜須香さんのことを大事に思っているんだろう。
「そんなの昔の癖が抜けなかっただけだよ。つーか、お前に何が分かるんだよ」
「……」
「アイツに会いたくて、里親の家の近くまで行った時に楽しそうに笑ってたアイツをみて絶望したよ。あー、なんだ。俺なんていなくたって幸せそうに生きてるだなって。寂しいのは俺だけなんだって」



