「珠莉の全部、俺にちょうだい」
耳元で甘く囁かれ、吐息の触れたところがじんじんと熱い。
深く穏やかに光る赤に捉えられれば、もう離れられない。
「……いいよ。わたしの全部、柊磨にあげる」
柊磨の首に手を回して、グイッと引き寄せ、自分の唇を彼の形のいい唇に重ねた。
ゆっくりと唇が離れ、瞳に愛おしい彼を映す。
「俺、好きなんて言葉じゃ足りねえくらいお前のこと好きだわ」
幸せで溢れた優しい笑顔にわたしまで頬が緩んだ。
「わたしもだよ。ねえ、今日は外泊届出してきたの」
今日は柊磨と一緒に過ごしていたくて施設にはもう届出を提出してきた。
もし、柊磨に何か用事があったら芙実の家に泊めてもらうことになっていた。
「え?」
「だから、今日はバイバイしなくていいね」
おでこをくっつけて言うと、彼の瞳が狼のように変わっていく。
「……これ以上、煽んなよ。優しくできる自信なくなる」
低く耳に響く声が聞こえてきた時には再びわたしの唇は塞がれていて、何度も何度も角度をかえ、甘いキスが降ってきてわたしは愛おしい彼にすべてを委ねた。



