「柊磨はもう十分頑張ってるよ、だからもう自分を責めないで」
ぎゅっと抱きしめられ、目の前が真っ暗になる。
俺は、許されてもいいのだろうか。
わからない。
ただ、俺は珠莉の腕の中で泣くことしかできなかった。
なあ、珠莉。
たとえどんなに周りの人からお前のことを言われようと、お前がどんなに俺にありふれた幸せを送ってほしいと願っても、お前が自分じゃダメだって言っても、俺はお前を離してやれない。
お前が良くても俺がダメなんだよ。
もう俺が離したくないんだ。
お前が俺のそばからいなくなることの方がよっぽど不幸だ。
お前がいるだけで俺はこれ以上ないくらい幸せなんだ。
だから、どこにも行かないでくれ。
俺はこの小さな温もりが離れていかないように願いながらぎゅっと華奢な体を抱きしめ返した。