その横顔は何かを決意したように凛々しく、でもどこか悲しみが滲んでいた。
『亜須香……ごめんな』
亜須香のいる集中治療室のそばまで行くと、ガラスの窓に手を置いて、消え入りそうな声で紡がれた言葉。
その瞳から一筋の雫が伝っているのが見えた。
俺に背を向けているが、肩が小刻みに震えている。
今、理希が声を押し殺して泣いているのがわかった。
彼女が危険な目に遭っているときに自分は意識を失っていたことを悔いているのか、そもそも暴走族に入ったことを後悔しているのか、またはそのどちらもなのかもしれない。
ただ、理希が亜須香を想って涙を流していることだけはわかった。
そして、理希はそのまま俺の前から再び姿を消した。
俺はまだ彼に許されていないのだろう。
本当に俺と理希は前みたいに戻れるんだろうか。
いつか……理希に許してもらえる日が来るのだろうか。



