『……なんで亜須香まで連れてきたんだよ』
集中治療室のベッドに横たわっている亜須香を見つめながら理希が重い口を開いた。
『亜須香から聞いたんだ……。お前が暴走族に入ったこと』
『どんなにお前に言われようが俺は抜けねえよ』
なんでそこまでお前はあのチームにこだわるんだ?
亜須香があんな目に遭わされたのに、なんでまだそんなことが言えるんだよ。
『亜須香があんな目に遭ったのにか……?亜須香をあんな目に遭わせたのは後堂なんだぞ……っ!』
『後堂さんが……?』
理希は目を大きく見開いて驚いた。
そうか。
理希は意識を失っていたからあの残虐な瞬間を見ていない。
逆に好きな女が殺されかけるところなんて見なくてよかったのかもしれない。
『そうだ。警察に捕まったから当分出てこれないんじゃないか』
『……そうなんだ』
『だから今のうちに……』
『俺は……抜けらんねえよ』
暴走族から抜けろという言葉を告げる前に俺の声を遮って、ゆっくりと立ち上がった。



