お前以外に理希のこと頼めるやつなんていねえんだよ。
ぽたり、ぽたり、と込み上げてくる涙が頬を伝い、彼女の服の上に落ちて、シミを作る。
『あっ、やっぱ、り……しゅ、うちゃん……わたし、のために……泣い、てくれ、てる……』
こんな時に嬉しそうに目を細め、俺の頬に手を添える。
その大きな瞳の目尻からツーッと静かに涙が伝った。
『泣くに決まってんだろ……!亜須香……っ、いなくならないでくれ……理希も俺も寂しくなるから……っ』
『ご、めんね……』
ごめん、なんていらない。
もう誰も失くしたくない。
『もう喋るな、すぐに救急車呼ぶから』
というより、もうきっと誰かが呼んでくれているはずだ。
亜須香のことがあり、先程まで殴り合っていた奴らも手を止めていた。
『しゅ、うちゃん……理希と、早く仲直り、するんだよ……』
『ああ。必ずするから。お前も見届けてくれるんだろ?四人でデートすんだろ!?』
『理希に、好き……って、言えな、かった、なあ』
こんなときに泣きながら笑う彼女に胸が鋭利な刃物で引き裂かれたように痛む。



