最初からコイツの狙いは亜須香だった。
きっと、彼女を殺せば理希は恐怖から自分の元から離れていかず、俺には苦痛を味合わせられると思ってのことなのだろう。
『キャッ!』
亜須香の悲鳴が聞こえた瞬間、
―――ガンッ、カランカランカランッ
俺の目の前で鉄パイプが勢いよく地面に落ちてきて、虚しい音を立てた。
鉄パイプが亜須香に直撃し、倒れ込む彼女。
その周りにはじんわりと地面に赤い血が広がっていく。
『あ、すか……』
俺は膝をついて、小さく、華奢な亜須香の体をめいいっぱいを抱え込んだ。
手や服に血がついても何も気にならなかった。
『しゅ、う……ちゃ、ん……』
うっすらと目を開けて俺の名前を途切れ途切れに呼ぶ。
『亜須香……しっかりしろ……っ!』
『帰ん……なくて、ごめんね……』
今そんなこと謝らなくてもいい。
むしろ、俺の不注意が全てのことを巻き起こしてしまった。
俺のせいでお前まで。
嫌だ。このまま亜須香がいなくなるなんて嫌だよ。



