『あのねー!そんな簡単に言えるわけないでしょ!?』
『そういうもんなの?』
俺だったら好きになったら何が何でも手に入れたくなるけど、そんな躊躇するもんなのかな。
まあ、人を好きになったことなんてねえから実際はわからんねえけど。
『そういうものなの!でも、いつか言えたらいいなあ。それでもし付き合えて、柊ちゃんにも彼女ができたらその時は4人で一緒にデートしょうね!』
先程のいじけた様子はどこへ行ったのやら今は嬉しそうにニコニコと微笑んでいる。
『やだね、理希と2人で行けよ』
『なんでよー!たまに4人で遊ぶから楽しいんじゃん!』
『お前が理希と付き合えたら考えてやる』
その前に理希が俺と一緒なんて嫌がりそうだけど。
『やったー!頑張っちゃお!でもわたしが理希と付き合ったら柊ちゃん寂しくなるかなあ』
『は?ならねえよ』
俺は2人が幸せになってくれるならそれでいいし、俺は俺で好きな人を見つけてその人を幸せにしてあげたいと思う。
『わたしがいなくなったら寂しいくせにー!きっと柊ちゃんも泣いちゃうぞ』
にやにや、と頬を緩ませながら俺の腕をつついてくる。
『お前がいなくなっても泣かねえっつーの』
『ほんとかな?』
『ほんとだって、しつこいな』
今度は腕にしがみついてくる亜須香を片手で引き剝がす。
俺はさ、この時お前が何を考えていたのか、本当にお前がいなくなるなんて全く思ってもなかったんだ。



