『理希には頼めないよ』
急にしょんぼりと眉を下げて声のトーンを下げた亜須香。
『なんで?好きなんだろ?』
そう、彼女はずっと理希が好きらしい。
だからよくある幼なじみの女の子に恋するとかは俺にはない。
きっと理希ならこのうるさい亜須香を優しく見守っているんだろう。
『あ、バレてた?』
『バレバレ。顔に全部書いてある』
『柊ちゃんに隠し事はできないねー。理希はさ、ちょっと変わっちゃったんだよね。まあ、無理もないんだけど』
そう言っている亜須香の横顔は少し寂しそうだった。
『……そうか』
彼の過ごした家庭環境が理希を変えてしまったのかもしれない。
『わたしにもちょっと冷たいんだ。だから勉強なんて教えてくれないよ』
いじけたように道端に転がっていた石ころを蹴り飛ばした。
『好きって言ってみたらいいじゃねえか』
告白したら理希だってお前のことが好きなんだから上手くいくと思うんだけど。



