ぱつんと眉毛が隠れる位置で切られた前髪、胸元まである黒い髪、不自然には見えないくらいの茶色い瞳。
全部、偽りの自分。
わたしは誰もいないことを確認してからその偽物たちを外していく。
そうして現れたのは見慣れた本来の自分の姿だった。
わたしは世間から浮かないように、バイトや学校に行くときはこうしてウィッグを被って、カラーコンタクトをつけて身なりを変えていた。
こうするだけで周りの突き刺すような視線から逃れられる。
まあ、カラーコンタクト代はバカにならんけども。
被っていたウィッグをバイト用のカバンに綺麗に直し、ポーチから櫛を取り出してライトに反射してキラキラと光る派手な金色の髪に通す。
何度か櫛でといていると元のストレートに戻る。
色は最悪だけど便利な髪質だなあ、と思う。



