彼女から理希の状況を聞いたときは驚いた。
理希は俺と離れてから母親と2人で暮らしていたそうだが、しばらくして母親が男に溺れ、家には誰もいない状態が続き、たまに帰ってくる母親からは生活費を渡されるだけの日々。
理希がいつ非行に走るかわからないと亜須香は言っていた。
俺が力になってやりたいけど、俺だってまだ養ってもらっている立場なのに何ができるんだろう。
でも、理希に会いたくて亜須香に連絡してもらったら“会いたくない”と返事が来て、通っていると思われる中学校に足を運んだりしたけど、結局会えなかった。
会いたかったのは俺だけだったのか。
直接、本人に何も聞くことができずに時だけが過ぎていた。
『ひっどい!これでテストの点数悪かったら柊ちゃんのせいだからね!』
『俺のせいにしてくんなよ』
『柊ちゃんが教えてくれないのが悪い!』
『俺じゃなくて理希に頼めよ』
理希と未だに連絡を取っていることは知っている。
亜須香がいつも俺に報告してくるから。
たぶん、俺たちに前みたいに仲良くしてほしいんだと思う。



