校区が違った俺と理希が会うことはなく、その後の理希たちがどこへ行ったのかは誰に聞いてもわからなくて、俺たちが元々住んでいた家も売り払われていてなくなっていた。
そのまま、理希の居場所がわからないまま俺は中学生になった。
じいさんは俺を引き取ってから掃除や洗濯、料理など生きていくために必要な知識を教えてくれて、ついでに趣味の体術を教えてもらったりもした。
まあ、後々この体術が活かされて喧嘩が強いことを知るんだけど。
本当の親じゃなくたってたくさんの愛情を注いでくれていたじいさんとの生活に俺はなんの不満もなく、過ごしていた。
『ねえ、柊ちゃん!』
『なんだよ』
『勉強教えて!ピンチなんだってー!』
『勉強してもバカなのは変わんねえよ』
そう言って学校からの帰り道で俺の前でワーワーと叫んでいるのは小学生の時から仲が良かった亜須香だった。
もちろん、理希のことだって知っている。
いわゆる幼なじみっていうやつ。
亜須香も中学に上がると共に家の事情でこちらに引っ越してきたらしい。



