「さっきの男、理希は俺の弟なんだ」
部屋に着いてリビングのソファに腰掛けるなり、俺は話し始めた。
◆
俺には父親が二人いる。
一人目は血の繋がりのある燃えるような髪色と瞳をした本当の父親。
二人目は血の繋がりのない笑った時に目が無くなる優しい笑顔が印象的な父親。
だけど、どちらの父親も俺に真っ直ぐな愛情をくれた人だった。
俺の母親は俺を産んでしばらくしてから事故で亡くなってしまい、それからは父さんと二人で大変ながらも仲良く生活していた。
休みの日は必ず遊んでくれたし、毎日疲れているはずなのに嫌な顔ひとつせず、ご飯だって作ってくれた。
きっと、突然愛する人を亡くしてしまって悲しみに打ちひしがれていたはずなのに俺の前では泣いたりせず、気丈に振舞って優しく時に厳しく俺を育ててくれた。
そして、俺が小学校に上がる頃、新しい母親と弟ができた。
弟の理希とは1つ違いで、連れ子同士での結婚だった。
俺たちは歳が近いこともあり、本当に仲良く育って近所でも有名な仲のいい家族と知られていた。



