「いってぇ、お前加減しろよ」
「それはこっちのセリフだっつーの。俺らはお前に守られる為にいんじゃねえんだよ。お前のこと守りたくて仲間になったんだからな。よーく覚えておくように。じゃあ俺帰るわ」
最後は額を人差し指でつんつん、とつついてテーブルにお金を置いて帰っていった。
俺を守りたくてか……。
もう十分守ってもらってんだけどな。
優大たちと出会ってもう5年か。
月日が流れるのは早いもんだな。
「お待たせ」
頬杖をついて一人で物思いにふけっていると、少し前まで優大が座っていた席に珠莉が座った。
「お疲れ」
「ありがとう」
嬉しそうにニッコリと優しい笑顔を浮かべている。
一年前、学校からの帰り道をたまたま一人で帰っていた時に見つけた俺の天使。
初めて彼女をこの目に映した時、本当に羽の生えた天使かと思ったんだ。
雪のように白い肌、スッと通った高い鼻、形のいいピンクの唇、光の束を集めたような美しい金色の髪、その髪から覗く、澄み切った海のように青い瞳。
そんなまるで天使のように綺麗な彼女に一瞬にして目を奪われ、心まで鷲掴みにされた。



