Angel&Devil



それから店長がわたしたちに怖い思いをさせてしまったからと気を利かせてくれて、わたしと山田さんは早く上がっていいことになり、こんな状態で仕事はできないと自己判断し、お言葉に甘えて早く上がらせてもらった。


ただ、その足で徒歩15分のわたしが帰る場所へは帰らなかった。

あと30分くらいどこで時間を潰そうかな。


そう思いながらスマホと睨めっこしていると、ピコンと電子音がしてメッセージアプリを起動させると、【来週の金曜日、空いてない?急に無理になった子がいて!】といつも世でいう合コンに誘ってくれる子からメッセージが来ていた。


今週の金曜日はバイトは休みだったはず。


それをスケジュールアプリで確認してから【行く!誘ってくれてありがとう】と返信をした。


まあ、人数合わせで誘ってくれたとしても誘ってくれるだけありがたい。


そして、バイト中にもう一件来ていた親友からのメッセージにも返信をしてからショッピングモールへと行き、トイレへと向かった。



別に彼氏が欲しいわけじゃない。

そんなものはとっくに諦めた。


ただ、帰りたくないだけ。
あの場所にわたしの居場所はない。
他の子と上手くやれていないわけじゃない。


むしろ、みんな懐いてくれているからそれなりに楽しく過ごせているんだけど、ただ大人の目が怖い。

ショッピングモールの綺麗なトイレに入ると、わたしは個室ではなくお化粧直しの方へと向かい、鏡の中に映るわたしはいつもの自分とはまるで違う。