「い、嫌だった?」



そもそも言わせたのは柊磨じゃん。



「嫌なわけねえだろ、おかわりほしいくらい」


「それは無理!」



こんな恥ずかしい事、何回も言えない。



「なあ、珠莉」


「ん?」



突然、名前を呼ばれてそちらに視線を向けると優しい深い赤の瞳と目が合った。



「もし、お前が世界中から後ろ指をさされても俺が抱きしめて見えなくさせてやる」


「……っ」



きっと、何があっても彼はわたしのことを包み込んでくれるんだろう。



「珠莉、だいすき」



そんな言葉と共に降ってきたとびきり甘いキス。
驚いて彼をみると、とろけるような甘い笑顔を浮かべていた。

もちろん、わたしの頭はキャパオーバーでパンクした。

その言葉に、その行動に、その笑顔は反則だ。


「はは、マヌケな顔してる」なんて笑っている彼の隣とは違い、わたしはしばらく顔の熱が引かなかった。


だけど、そんな日々も幸せで溢れていている。
この心から溢れ出そうな“好き”をこれからも少しずつ柊磨に伝えていけたらいいな。