「ちょっと、不意打ちはやめてよ!」
不意なんて不細工にしか映んないよ。
消そうと彼のスマホに手を伸ばすけど、180センチ近くある彼に敵うはずもない。
「いいじゃん、可愛く撮れたんだし。お気に入りっと」
わたしの手を交わしながらポチッとハートボタンを押してお気に入りにしたみたい。
「むー、わたしだって撮ってやる」
取り出したスマホを彼に向けてパシャパシャパシャと連続でシャッターを押す。
こうなったら、ヤケクソだ。
「撮りすぎ撮りすぎ」
笑いながらスマホのカメラの前に手をかざす柊磨。
1枚くらい、いい写真撮れたかな?
あとで確認してみよう。
「これでやり返し終了。今日はいっぱい写真撮りたいなあ」
「そんないっぱい撮んの?」
「うん。だって柊磨との思い出がほしいじゃん」
初めてのちゃんとしたデートだし。
記念にしておきたい。
「そんなのこれから積み重ねていけばいいじゃねえの」
「へへ、そうだね」
柊磨から発せられる何気ない言葉たちにだらしなく頬が緩む。
わたしこの短期間で柊磨のことすごい好きになっちゃってる。
いや、彼女だしそれはいいことなんだろうけどなんか初めての気持ちばっかりで戸惑ってしまう。



