「これとか可愛いじゃん」
柊磨が手に取ったのはこのテーマパークでは人気の動物の耳がついたカチューシャだった。
「期間限定の復刻デザインらしいよ」
そのカチューシャは茶系のチェック柄で、柊磨の深い赤の髪色とも相性はバッチリだ。
「俺、これにしようかなー。珠莉はこれとかいいんじゃね?モフモフしてるし」
手に取ってわたしに見せてきたのはクマの被り物だった。
「可愛いけど暑いよ」
今は7月だからこんなの被ってたら汗出てきちゃう。
「確かに。これは次、冬に来た時だな」
「ふふ、もう次の話?」
今日だってまだ到着して数十分しか経ってないっていうのに気が早いよ。
でも、彼の描いているその未来に当たり前にわたしがいることがすごく嬉しい。
「当たり前だ。何回も来るし、モフモフ珠莉ちゃんが見たいからな」
「楽しみだね。柊磨もそれ被ってくれるんでしょ?」
「え、俺も?」
あっけにとられたような表情でわたしを見る柊磨に、当たり前だという意味を込めて深く頷いた。



