「そんないいもんじゃねえぞ」
「ねえ。ほんとにわたしが高得点取れたらさ、1つお願い聞いてよ」
「別に取れなくても珠莉の頼みなら聞いてやる。別れる以外は」
「あのねー、それじゃあ意味ないんだってば。ていうかそんなお願いしないし」
頑張ったご褒美があるから人間頑張れるってもんよ。
まあ、わたしを存分に甘やかしてくれてるのはわかってるんだけど。
別れるなんてもってのほかだ。
「ふーん、まあいいよ。お前に別れたいってもし言われたら俺、子供みたいにごねる自信あるわ」
「ほんと!?やったね!ごねる柊磨は想像できない」
子供みたいにごねる柊磨……やっぱり想像はできない。
「俺、他のことは譲れてもお前だけは譲れねえし」
「なにそれ」
そんなことを言われたらまた胸がときめいてしまう。
この男はわかってて言ってるのかな?
いや、きっと本心をそのまま伝えてくれているだけだろう。
「もう珠莉以外は考えらんねえってこと」
机に頬杖を突きながらふわっと柔らかく目を細め、愛おしそうにわたしを瞳に映す。
そんな彼にまたしてもわたしの心は簡単にズキューンと射抜かれてしまう。



