大学進学などあんまりする気もなかったけど、選択肢は多い方がいいと芙実に説得されたのもある。
正直、失礼だけど暴走族なんてしている彼らの頭がそれほどよかったなんて思ってもなかった。
まあ、でも西高は校則が緩いって聞くから彼らにはぴったりなのかもしれない。
みんな髪色はカラフルだし、ピアスだって耳にいくつもついている。
「似てるんじゃねえのかな」
柊磨が取り出したテキストをペラペラとめくりながら答えた。
「大志は今回も補習じゃね?」
司が揶揄うように笑いながら言った。
「おいー、俺だって今回こそ免れてえよ」
「いつも授業中に寝てるからだろ」
「くっ……いつもゲームしかしてねえお前に言われんのが一番ムカつく」
また、司と大志が戯れあっている。
あの二人っていつもあんな感じなのかな?
でも、二人とも本当に楽しそうでいい笑顔だ。
「あの二人は放っておいて俺たちだけで始めようか」
二人に優しい笑顔を向けながら言った優大の言葉に司と大志以外が頷いた。
机に限りがあるので、わたしと柊磨、優大と芙実、司と大志というペアで分かれて行うことになった。
芙実は気を遣ってわたしと柊磨をペアにさせてくれたんだろうなあ。



