「ラブラブだなー」
そうは言ってくれてるけど優大だって若干引いてるよ。ほら。
「今日はそれだけじゃないんでしょ」
「え?」
司の言葉に疑問の声を上げた。
「柊磨から聞いてない?テスト勉強一緒にしようって話」
「聞いてない!まあ、教科書とかはカバンに入ってるけど」
わたしの言葉に芙実が大きく頷いている。
何も知らなかったんだけど!?
そう思いながら柊磨の方を見ると、彼は苦笑いを浮かべて「珠莉と付き合えたことに浮かれすぎて言うの忘れてた」なんて怒るに怒れない言葉が返ってきた。
はあ……、本当にこの男って奴は。
「まあ、教科書とかあるし大丈夫だよ。せっかくだしみんなでやろうよ」
芙実がそう言いながら早速カバンの中からテキストとか筆箱を取り出していた。
さすが、優等生。
「そういえば、四人って西高だよね。ウチの高校とテスト問題とか似てるのかな?」
みんなが来ている制服は西高のものだ。
西高は県内でも1、2を争う進学校で、わたしたちが通っている南高と同じくらいのレベル。
ちなみにわたしは芙実が南高を受験するって言うからと言う不純な動機で受験した。



