「だったら、また何かするかもしれないよね?」
暴走族というものには怪我や危険は付き物なのかもしれないけど、彼らにはそんな危ない目には遭ってほしくない。
それに、昨日の後堂の態度からあれで終わりだとは到底思えない。
「……今度はもっと派手に仕掛けてくると思う。今回のは始まりに過ぎない」
やっと重い口を開いた柊磨からでた言葉は大体予想通りのものだった。
昨日は明らかに人が少なかったし、本気でわたしや芙実をどうにかしようとしているようには思えなかった。
きっと、柊磨に宣戦布告のようなものを仕掛けただけなんだろう。
「……」
「何かあっても俺たちが守る。それだけは約束する」
何も言えなくなってしまったわたしに柊磨は力強い声で言い、下げていた視線はいつの間にかわたしと芙実に向けられており、意思の固い瞳と視線が絡まった。
「……みんな、何があってもちゃんと無事でいてね」
「俺が責任を持って守るから安心してくれ」
そう言って微笑む柊磨にわたしは何も言えなかった。
きっと、彼は仲間が危なくなったら自分を犠牲にしてでも仲間を優先するんだろう。



