「本当に申し訳なかった」
目の前でカラフルな頭をした男性四人がわたしと芙実に向かって頭を下げている。
昨日の今日でわたしと芙実はビルに呼び出された。
そして、今に至る。
「いえ、むしろ助けて下さってありがとうございました」
「大丈夫なんで頭をあげてください」
わたしたちの言葉に彼らは中々頭をあげようとはしない。
「俺たちのせいで二人を危険な目に遭わせてしまった」
「ほんとに大丈夫だし、そもそもわたしだって柊磨に嘘ついたからお互い様だよ」
芙実に怖い思いをさせてしまったのは本当に申し訳ないけど。
「でも、」
「あの男とはどんな関係なの?そっちのほうが気になるよ」
全然頭をあげる気のないみんなに埒が明かないと思った芙実が柊磨の言葉を遮って、わたしも気になっていたことを告げた。
「ああ、俺から説明するよ」
やっと頭を上げた柊磨が真面目な表情のまま、ソファに静かに座り、他のみんなも何も言わないまま次々に空いているところへと腰を下ろした。
「後堂は俺のことを恨んでる」
「そうなんだ……」
何となく、そうだろうとは思っていたけどやっぱりそうなんだ。
あの男の言葉からしてその恨みは相当のものだった。