彼の心ない言葉がわたしの心の深いところに突き刺さったまま、溶けることなく、今でもわたしを呪いのように縛り付けている。
彼が言ったようにわたしは一人で生きていかなきゃいけない。
誰かと共に生涯を添い遂げることは許されない。
だって、何も知らないから。
知ってる人と知らない人では上手くいかないみたいだ。
どんなに勉強を頑張っても、どんなに真面目に生きていても人の温かさを知らないわたしは幼い頃から憧れ続けた“家族がほしい”という夢も叶わず、手に入れることができないのだろう。
今まで誰かに優しさの欠片もない残酷な言葉たちを幾度となく投げつけられてもずっと耐えてきた。
どんな理不尽なことだって心を潰しながら飲み込んだ。
だって、いい子にならなきゃいけなかったから。
普通に生きていくために、憧れを手に入れるために必要だと思っていたから。
でも、それも全部、全部無駄だったんだ。
最初からわたしに手にする権利はなかった。



