「山田さん、大丈夫?」
「はい、何とか……っ」
そう言いながらポロポロと大きな瞳から涙がこぼれ落ちていく。
「ごめんね、怖い思いさせて」
そう言いながら彼女の震えた背中をさする。
こんなことしか言えない。
もっと気の利いた事が言えたら良かったんだけど。
「助けてくれてありがとうございました。お兄さんも」
そう言って、わたしと助けてくれた男性に頭を下げた。
「とんでもないです。怪我とかがなくてよかった」
男性が先程の冷たい瞳とは打って変わって、彼女にふわり、と柔らかい笑顔を向け、それを見た彼女はビックリしたように目を丸くし、ほんのりと頬を赤らめてもう一度頭を下げるとキッチンへと戻って行った。



