わたしのすべてを話したらきっと柊磨も諦めてくれるだろう。
このままいつまでも逃げていても何も変わらないし、わたしに全力の愛を投げてきてくれている彼にも失礼になる。
「……知ってると思うけど、わたしはあの施設で暮らしてるの」
「ああ、わかってる」
突然、こんな話を始めたわたしに少し困惑した色を見せながらも話を聞いてくれている。
「わたしね、親がいないの」
「……」
「生まれてきた時からずっと。生まれてすぐ施設の前に捨てられてたらしくて、親の顔も名前も何も知らない」
目の前でわたしの話を黙って聞いている彼がどんな気持ちで聞いているのか、何を思っているのかはわからない。
「わたしは別に親がいないことに何も思ってなかった」
そう、わたしはそれほど気にしていなかった。
親がいない子たちが集まる施設では複雑な事情を持っている子たちばかりだったから。



